人事のススメ!

これからの時代に求められる人事の考え方を書き綴るブログ

ティールな社会の実現に向けて!

まさに、LIFE SHIFT!

2020年、中国武漢に端を発し世界に波及した新型コロナウィルスは、日本の社会にも大きな影響を及ぼしたのは、ご認識の通りかと思います。御多分に漏れず、僕自身にも影響は大きく、身近な変化で言うと、テレワークをすることが多くなり、今では週に1度オフィスに行くか行かないかという程度にまで、通勤という概念が薄れつつあります。なかなか普及しなかったテレワークはいい例ではありますが、それ以外にも、オンラインでの会議・面接・研修、印鑑の電子化などなど、人事に関わらず、多くの社員に影響や変化を及ぼしています。この結果、人事周辺では、どのようなことが起きているかというと、テレワークを実施していない会社は選ばれなくなり、固定通勤交通費は実費精算に変化し、社員は浮いた時間を副業に当てたいと望むようになっているのです。さらには、WE WORKを代表するABW(Active Based Working)が、企業においてもサービスにおいても、これからますます普及してくると予見されるでしょう。

グローバルでは米中間の摩擦が加熱し、アメリカにおいては二極化が進み、日本国内においても政治がより一層に管理・統制すべきかについて連日のようにメディアは報道されています。この未だかつていない変化の大きな時代において、企業組織においても、個々人においても、当然ながら「しなやかな強さ」や「機敏な変化」が求められているのです。いつまでもコロナ前は良かったと懐古主義的な思想にしがみつき、「New Normal」という新たな日常に適応できない会社組織や個々人は、時代から取り残されていくのも必然でしょう。緊急事態宣言が再度発令されても、政府がいくら7割のテレワークを煽動しても、対面のコミュニケーションに固執してなのか周囲に歩調を合わせてなのか、満員電車に揺られ、オフィスへ出社するサラリーマンに関する報道を見ていると、情けなさすら感じてしまうくらいです…

 

LIFE SHIFT(ライフシフト)-100年時代の人生戦略

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

 

ティールな社会の実現に向けて!

皆さんはフレデリック・ラルー著「ティール組織」という本をご存知でしょうか? 僕自身が、こういった先行きの見えない緊急事態宣言の最中にふと思い出し、再度手に取ったのが「ティール組織」という一冊の本です。もし、ご存知なければ、これを機に是非よろしければお読みいただきたいオススメの著名な本です。過去に読んだという方もこのタイミングで是非再度手に取っていただくことをオススメいたします。そこには、社員一人一人が自律し行動する理想の組織像が描かれているのですが、私自身はだいぶ以前に読んだ時とは、また異なった印象を覚えました。ティールを語ると人事界隈でもよく言われますが、ティールを正しく解釈しないと、無秩序になってしまう恐れはあります。「自律」と「自由」は似て非なるものであるのも確かでして、「自律」がない中での「自由」は、確かに無秩序を生む可能性もあり、管理や統制が残るのも一理だとは思っています。今の国内の状況を見ていましても、政府からの強い方針を欲するムードも分からなくはないです。一方で、こんな先行きの見えない緊急事態だからこそ、個々人が自ら考え、自ら行動できる組織こそが、「しなやかな強さ」や「機敏な変化」を持ち合わせているのではなないだろうか?とも思えてきます。常に指示を待っている国民・社員をを見ていますと「個々人が自律した組織こそが、生き残れるのだ」とも強く感じるのです。

このブログは、この変化の激しい・先行きが見えない時代に、組織をどのように機能させていくのか、社員個々人がどのように生きていくのか をリアリティを持ってその変化を感じたままに日記のように備忘として記しておきたいとの欲求から始めました。おそらく人事職能にとって、これほどまでに外圧がかかる機会はそうそうなく(もしかするとこれからの時代ずっと変化が激しいかもしれないが…)、自身の為、各社で活躍する人事職能の為、正解のない世界をどのような心情でどのような変遷を辿ったかを記録として残すことは、きっと後々の考え方の拠り所になると考えたからです。そして、仮説ではあるものの、僕個人の思想としては、ティールな組織(自律した組織)がきっと勝つと信じています。そのことの立証となれば、これほど嬉しいことはありません。

 

ティール組織ーマネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

 

働き方を見直そう!

新型コロナウィルスがこれだけ蔓延したがゆえに、変化せざるを得ない状況となったが、実はそもそも緩やかに変化は起きていたとも考えています。以前から、少子化・高齢化や都市・地方の格差は、世界に先んじて日本が抱える特徴的に大きな課題でありましたし、さらには健康寿命が伸びる中で、国がどのように税収を確保するかも見据えて「働き方改革」や「健康経営」が叫ばれてもいます。これは、明らかに長く健康に働かないと税収が確保できないと理由から、厚生労働省経済産業省ともに、アプローチは違えど、残業を減らし健康を維持することで、長い期間国民に働くよう促している。そうしないと、国家としてのP/Lが成り立たないからだ。年金などは最たる例で、理論上は、平均寿命-15歳くらいを年金受給年齢に設定しないと、年金自体が破綻してしまう(もうしている?)とも言われている。徐々に年金受給年齢も後ろ倒しには事実なっているが、「人生100年時代」には年金受給は85歳まで受給できない計算です。これは一つではありますが、旧来の仕組みには当然ながら歪みができ、世の中が変化するたびにその歪みは大きくなる為、実際には世の中の変化に合わせて、徐々にアジャストしていかなければならないというのが本来なのでしょう。

で、そんな働き方改革が叫ばれる中、僕自身も朝から晩まで(時には休日まで)働き続ける生活に疑問を感じて、新しい働き方を模索している一人でした。若者人口が大幅に減少し、税金や社会保障負担もどんどんと重くなる中、従来通り「とにかく頑張れ!」といった精神論だけでは、誰もが疲弊するばかりだと感じていたからです。仕事やお金や人生設計に関して、もっと自由に発想し、もっと合理的に判断できれば、今という時間を楽しむことを、もっと優先する働き方・生き方ができるはず!そしてその考え方はこれからの人事にとって重要となるはず! そう考えてこのブログを立ち上げました。この記事タイトル「ティールな社会の実現に向けて!」には、既成概念に囚われるのはやめよう、社会の常識とされている事であっても、そのまま無条件に受け入れる必要はない、私たちは一人一人異なるのだから、少しくらい「緩く」「ユニークに」考えてもいいのじゃないかという思いを込めています。

人生を楽しく、楽に過ごす為には、もう少し「緩く」「ユニークに」考えた方がいいと考えたのは、失われた10年が20年となり明らかに時代が変わりつつあるにも関わらず、今までと全く同じように「とにかく頑張れ!」のやり方を続けることが、あまりにも非生産的に思えたからでもあります。今までは、すべての人が拠り所にできる「幸せの型」があったかもしれません。滅私奉公で働く夫と子育てに専念する専業主婦、もしくは家族一丸となって商売に邁進する自営業家族、と言ったスタイルが、真っ当な生き方の例として確立されていたというのも事実です。高度経済成長の時代には、周りと同じことを「頑張って」行っていれば、経済的にも報われてきたというのも事実あるのでしょう。日本社会には「社会全体の為に、個を抑制し我慢すること」を美徳とする考えが蔓延して風にも思えています。しかし、今の時代は、「頑張れば報われる」とは到底言い難いものです。それよりも個々人にとって「好き」「楽しい」を貫いた方が、何事も上手くいくのではないか、そう考え始めたのがきっかけです。

世の中はグローバリゼーションやIT革命など激変の様相を見せていますが、しなやかに強く、機敏に変化しながらも、こういう時ほど個々人にとって大切なのは「自分は何をしていたら楽しいのか」という自分自身の価値観ではないでしょうか? 周囲に流されることなく、自ら考え、自ら行動する、それこそが個々人なりの「幸せの型」となると思えてなりません…

 

笑顔でいれば、可能性はきっと広がる!