人事のススメ!

これからの時代に求められる人事の考え方を書き綴るブログ

資本主義は崩壊する!幸福・幸せに働くには?

いつか資本主義は崩壊するのでは?

下記、様々な見解・意見があると思いますが、あくまで個人的な意見として述べさせていただきます。欧米から資本主義が明治維新後に日本に輸入・定着してから100年あまり、資本つまりは売上や利益を行動の源泉としている「会社」という形態がいつまで続くのだろうかということについて僕は懐疑的なスタンスを持っています。結局のところ最終的には利益を目的としている「会社」は、急速に変化や縮小する市場に対し、いつかは売上をあげることは困難となり、コスト特には人件費を下げざるを得ない状況に陥ることになるとも思っています。変化に適応することが生き残るには必要なわけですが、いずれにせよ「会社」はいつかは廃業することになり、かつその期間は急速なグローバリゼーション・IT化に伴い、年々短くなってきているというのが実感です。これが極端にいうと、売上・利益を行動の源泉としている「会社」の末路ではないかと思うのです。徐々にですが、このようなスタンスに立ち、Visionを最終的な目的とするNPO法人個人事業主の増加にもつながっているというのが僕なりの解釈なのです。

 

幸福・幸せとは?

こういう風に考えると、幸福や幸せとはなんだろうかとも考えます。生活の為に身を粉にして働いていても、やはり激務であり、自分の時間が持てないのであれば、いくら報酬が高くても幸福感は薄いでしょう。加えて、売上・利益を行動の源泉にしていると、やはりそれが報酬に紐つく為、最初は良くてもいつかはそれだけでは動機されないことになりかねないとも思うのです。では、幸福・幸せとはどういう状態なのでしょうか…?

 

  • 健康であること
  • 友人がいること
  • 家族がいること
  • 生活ができること
  • 没頭できることがあること

 

あくまで僕はという話ではありますが、シンプルに素直に考えると、こんなことが挙げられます。この中でこと仕事に関していうと、「没頭できることがあること」というのが、大切になってくるのだろうなと…。没頭できない仕事で報酬を得ても、あまり生きている実感がないと思うし、過激な表現を使うと、あまり生きている意味がないなとも思ってしまいます。サラリーマンになる目的ってなんなのだろうか?とも考えますが、当然ながら、個々人の価値観により変わってくるし、人生のフェーズによっても変化するとも思いますが、

 

  • お金
  • 帰属意識
  • プライド
  • 存在価値
  • やりがい

 

などなど、代表的なところをあげると、こんなところでしょう。これからの時代、多くの会社が変化に晒され廃業することにもなりかねないと考えると、あまり過度にお金や帰属意識を主に考えてしまうと長続きしなかったり、期待を裏切られたりと感じてしまう人も多々出てくるることでしょう。いつかは、会社組織に帰属しているのは、自律していない人だけ働き方となってしまい、負け組と呼ばれてしまう時代が来そうだなと考える今日この頃ですもあります…

 

  • 仲間・友人がいる
  • 家族がいる
  • 収入がある
  • 没頭できることがある

 

こんなことくらいがシンプルに幸福・幸せに起因していると考えるならば、実はサラリーマンでいる意味はあまりない。もちろん、サラリーマンは安定している、会社を辞めるのはリスクと考える人も多くいることでしょうけれど、会社を辞めるリスクなんて…

 

  • 漠然とした安心感
  • 多数にいるという安心感
  • 安定した収入
  • 世間からの信頼
  • 世間体・周囲の視線
  • 帰属意識

 

くらいではないでしょうか。これも、今後「会社」が徐々に短命になってくると考えると、もはやなんの確証もなく、むしろこんな迷信めいたものにしがみつくのは馬鹿げてきていると思えてなりません。古い考え方に立っている金融機関から借りられる住宅ローンだけは、現状は会社勤めしていることや勤続年数が借入可能金額に大きく影響するので、借りてから辞めた方がいいとは思いますが…。「会社」に所属してサラリーマンを続けることだけが、幸福・幸せの唯一の選択肢ではないとだけは言い切りたいとも思います。

 

日本に残る職業とは?

先に述べたようにグローバリゼーション・IT化だけではなく、AI化の波も押し寄せています。2014年に英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授等によって発表された論文「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」は、20年後までに人類の仕事の50%が人工知能ないしは機械によって代替され消滅すると予測しました。その後、日本の労働環境に当てはめた野村総研との共同研究では、日本人の仕事の49%が消滅するとの見通しも公表がなされています。さらに、2020年5月に公表されたマッキンゼー・アンド・カンパニーの調査では、2030年までに日本中の業務の27%が自動化され、約1,660万人の雇用が機械に代替される可能性があるとの指摘もあります。

そんな中で日本に残るビジネスって何が残るのかとも憶測すると、正直想像もつかないところですが、より高度なIT技術・AI技術を要することは米中の企業(GAFA,BATH)が中心になると思いますし(大学論文数が物語っているし、AIにおいてはビッグデータが何よりも肝になる為)、一方より低度な作業は人件費の安い新興国(アジア・アフリカ・南アメリカ)が市場の中心になってくるというのは間違いないでしょう。また、情報を人で媒介していた職業(例えば、新聞配達員・不動産営業)は、もしかすると、高齢者を顧客とした人を媒介したホスピタリティなどは残り続けるかもしれませんが、そのほとんどがネットに移り変わることでしょう。

まとめると、数年後も想像できない変化の激しい時代になっていて、かつ競争相手が技術の高い米中、コスト競争量の高い新興国になっているということ。日本国内の「会社」は、変化を迫られ、会社に所属するサラリーマンもなんの安泰・安定もなく、会社にしがみつくということ自体がもはや無意味になるということ。こんな時代に生き残れるのは、自律して稼ぐ力(専門性や変化適応力)を持つ優秀な人は生き残り、そうではない人だけが「会社」に残り続け、搾取され続けるという構図に変わってしまうのだろうと思うのです…

 

AI世界秩序 米中が支配する「雇用なき未来」

AI世界秩序 米中が支配する「雇用なき未来」

 

仕事はできる人に集まる! 

では、優秀な人材こそ「会社」に残れるのでは?という考えもあると思いますが、一概にそうも言い切れません。例えばですが、優秀な人材が、何に時間を奪われているかというと、未熟者への指導や質問対応などです。仕事ができればできるほど、圧倒的にこの2つに時間を割かれる。前者は会社から依頼されなければ発生しないかもしれないが優秀な人材ほど管理職に登用される可能性はあります。後者は次から次へと質問攻めに遭い、まるでFAQセンターかの様相です。いくらナレッジをノウハウとして移管しようとしても、受け取り側の問題も大きい。優秀な人材が揃わない会社では、こんな事象がそこらで起きているというのが現実なのです。まさに、成果を出す人が、成果を出せない人を養う構図である…

仕事はできる人に集まります。当然で、会社がいかに利益を生み出すかを考えたときに、できる人材に仕事を頼んだ方がいいのは明白です。そして、仕事ができる人が、仕事ができない人の分まで仕事をする。ですが、できる人が生み出す利益は増えるものの、その本人が手にする報酬額は比例して上がるわけではありません。仕事ができる人は利益を生み出しますが、仕事ができる人と仕事ができない人の報酬は、露骨には広げられない為、こうして一部の仕事ができる人が仕事ができない人を養う構図が出来上がるのです。その結果、仕事量が増えれば増えるほど、さらに仕事ができるようになった優秀な人材は、嫌気をさし、会社を退くことになるのです。

 

いつまで「会社」に搾取されますか?

そもそも会社組織とは、使用者≒株主が、労働者を使い、搾取する機関であると考えられなくもありません。使用者が考える労働の価値と賃金・報酬は対等であり労働するかどうかは労働者にも任意選択の余地が本来あるべきとも考えられますが、残念ながら、労働価値(=生み出す利益)と賃金・報酬は対等ではないというのが実態でもあります。それは、使用者の考える労働価値(=生み出す利益)への期待は常に高まるのに対し、労働者の提供する労働かちは良くなることもあれば悪くなることもあるからです。例えばですが、採用した時の労働価値を加齢に伴い、満たせなくなることも多々あります。当然ながら、使用者の考える労働価値(=生み出す利益)期待と労働者の提供する労働価値にはギャップが生まれてくるのですが、そのギャップ分を誰が補っているかというと、やはり優秀な人材なのです。

アダム・スミスカール・マルクスなどの書籍では、「労働とは、使用者に搾取され続ける」とも読み解けます。使用者と労働者をわかりやすく皮肉った言葉に「労働者はクビにならない程度に一生懸命働き、使用者は労働者が辞めない程度に報酬を与える」というのがあります。この言葉は、サラリーマンをしていると強く実感します。そして報酬や賞与をニンジンとしてぶら下げ、優秀な人材にそのニンジン以上の労働価値を求めているというのも、多くの会社が導入している報酬制度の実態なのでしょう。

 

  • 売上・利益を行動の源泉とした資本主義はいずれ崩壊する
  • 本当の幸福・幸せを得るには「会社」で働くだけが唯一の選択肢ではない
  • 優秀な人材は「会社」を離れ、自律できない人だけが「会社」に残る

 

こんな変化が、すぐ足下に近づいてきているのではないでしょうか。僕は手に入らないニンジンを追いかけ続ける馬のような人生だけは歩まないようにしたい。そして、人事としては、このような人生を歩んで欲しくないし、優秀な人材がやりがいを感じて働き続ける組織開発制度が求められていると強く感じています。多くの会社が、売上・利益を行動の源泉として、賞与・報酬をニンジンとしてぶら下げて動機しているように思っているかもしれませんが、優秀な人材は気づいていますよ…。それはけして幸福・幸せではないことを…

僕は、サラリーマンを単に否定しているわけではありません。「会社」というのは自身だけで体験困難なことも、入社するだけで実現できるという利点も多分にあります。個人単体では実現しにくいことも、組織で価値発揮を大きくできることもあるでしょう。僕が、言いたいのは、時代の流れを読み取らず、何も考えず、ただなんとなくサラリーマンをやっているのは、それは非常にリスクであるとはお伝えしたいと思います。ただなんとなく過ごした人生の代償は大きく、気づいた時には時すでに遅しで「会社」にしがみつくしか選択肢がないなんて、不幸の極みだとも思うのです。自分の頭で考え、自分で行動し、主体的に自分の生き方を選択できることが、やはり幸福・幸せに繋がるのだと思うのです…

 

あなたは、いつまで搾取され続けますか?

 

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

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笑顔でいれば、可能性はきっと広がる!