人事のススメ!

これからの時代に求められる人事の考え方を書き綴るブログ

面接での人の見極め方 〜面接官は面接で何を見ているのか?〜

採用にはリスクも秘めている!

中途採用を担当されている人事の方々にとって、この1〜2月が年度の中でも一番の頑張りどきではないでしょうか? 多くの会社の年度始めである4月入社を念頭に、また現在の会社の年度終わりである3月末での退職を念頭に、一番人材が動く時期でもあります。記事「「正社員になりたい」だけでは、会社は採用しない!」でも書きましたが、ただ頭数を揃えればいいかというとそうではありません。企業にもよりますが、人を1名採用すると会社には約3億円のコストがかかります。誤った人を採用してしまうと、3億円の損失はもちろんのこと、周囲への悪影響を考えるとそれ以上の損失にもなり兼ねません。人事は採用にはリスクも秘めていることを念頭に、人を見極めなければならないのです。面接官になる方はもとより、この記事が面接を受ける方にとっても参考になれば幸いです…

 

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面接での人の見極め方とは?

ズバリ結論から申し上げると、面接での人の見極め方は、「話させること」に尽きます。職務経歴書や履歴書を読んでいると、ついつい技能面や職歴などの「字面」に行きがちですが、最も大切なのは「仕事観」や「価値観」だと僕は思います。当然ながら、必要な採用ポストに対して、過去の経験・知識がマッチするかは重要なポイントであるものの、求職者が経験・技能を盛って(嘘は完全アウトですが…)書いたり語ったりすることはよくあると捉えた方がいいでしょう。これは当然でもありまして、求職者も採用されるには必死なわけです。人材紹介会社・エージェントの職務経歴書添削・履歴書添削なども本当に良く助言できていると感心するくらいです…。ですが、どんなに高い技能を持ってしても、仕事観が合わないとビジネスは成功に導けません。話をさせて「なぜそう思うのか?」や「その背景にあるエピソード」を数回深掘りすれば、そのレスポンスや表情を注視することで、嘘かホントかは見抜けます…

 

嘘つきを採用してはならない!

例えばですが、「私は頑張り屋とよく言われます。」となれば、周囲が言う「頑張り屋」を物語るエピソードを話してもらいます。「今回の転職を最後にしたい。何でもやりますのでよろしくお願いします。」となれば、そこまでの決意の裏側にどういうエピソードがあり、なぜその決意に至ったのかを語ってもらいます。エピソードに、人格や価値観が反映されているようであればその人格・価値観が、企業で求めている価値観(Value・Culture)に合うか否かで採用合否を慎重に判断しましょう。一番やってはならないのは、技能や職歴だけを確認し、それを鵜呑みにしてしまうことです。もちろん、技能や職歴は重要ですので、それは最低限の要件として確認した上で、やはり人格・価値観が企業とフィットするかが重要です。ダイバーシティも重要な視点ではありますので、価値観の多様化を否定するわけではありませんが、絶対に譲ってはならない価値観も企業にはあるとも思います(※記事「組織の存在意義とは何か? MVVを考える!」もぜひ参照ください)。そして、嘘をつくという行為は、どの企業であっても共通して排除すべき要素でもあるのです。候補者が、周囲の話やあまり関係のない話で、はぐらかそうとするようだと、その人は入社してもおそらく活躍してくれないでしょう。どれだけ技能や資格を持っていても、嘘つきはやはり採用してはいけないのです…

 

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逃げ道を与える!

でもひとつだけ逃げ道を与えてあげましょう。こういうと面接官は非常に高飛車な印象を持つ方もいるかもしれませんが、やはり人を採用するという行為はそれだけ責任が重いと思ってください。一つの考え方として、候補者の謙虚さを試すという逃げ道を設けておくと、さらに制度の高い面接判断ができると思うのです。「今回は面接ということもあって、言いにくいかもしれませんが、先ほどの話で訂正したいところはありますか?」「当社は正直な人が欲しいのです。」「面接テクニックはいったん忘れていただいてホントのところはどうなのですか?」と問うことで、正直な人は昂る気持ちを抑えて、素直な自分に戻ってくれます。候補者も必至が故に、罪悪感を抱えながら、入社後に明るみになったらどうしようと不安を抱えているのも事実あると思います。それはそれで不幸で、入社後も自分を偽り居続けなければなりません。この質問で、「すみません、いいところを見せたくて誇張いたしました。」といった素直な態度を見せてくれると、見どころありだなとも思います。こういうくだりで入った人材はものすごく頑張ってくれます。会社に対する信頼が厚くもなるので、活躍してくれる確率は高くなります。逆に、更に逃げ嘘を重ねるようだと、いくら技能や職歴が良くても、そこまでの人材なのです…

 

まとめると…

  1. 技能や資格よりも人格や価値観(仕事観)を重視する。
  2. たくさん話させることで、(悪く言うと)ツッコミどころを確保しておくする。
  3. 発言の理由や裏エピソードを話させることで、真偽を測る。
  4. 逃げ道を与えて、素直にさせる。
  5. 素直になったら見込みアリ。更に逃げたら見込みナシ。

一度試してみてください…

 

笑顔でいれば、可能性はきっと広がる!